- BLACK THRUSH -


||| WORDS LOG |||

戸惑い

私は、結局のところ。
恋なんてした事がないのだろう。
いくら相手が替わっても、
あれは、恋と呼べるものではなかったから。

ただ、あの人に対して時折襲われるこの感情は、
何なんだろう。

心を素直に言葉にする事は、
躰を合わせるよりもずっと難しくて。
どうしてもつぎはぎの行動をとってしまう。

初めから、
誰でもいいわけじゃなく。

本当は、
想いを伝えたいだけなのに。
言葉では伝えられなくて、
涙が零れ出る。

泣いて堕とそうなんて考えてるわけじゃない。
巧く伝えられないもどかしさが溢れているだけ。

こんなときは、
どうすればいいんだろう。
どうしたらいいんだろう。


朔夜

枕もない
固いコンクリートの床に

冷えた躰を横たえる。

このまま意識を手放しても惜しくない具合に。


そっと。


先刻から音もなく降り続く雨に打たれながら
まだ、意識を手放せずにいる。

今夜は月も見えないと言うのに。


ヒトリ

泣き過ぎて
頭が痛い。

涙が
こんなに
こんなに
出るものだったなんて



知らなかった。


距離

貴方があの子への想いを口に出す度に。



その気持ちを
引っ掻いて
傷つけて
壊してしまいたくなる。

あの子の事なんて

もう見ないで。
口に出さないで。
想わないでよ。




こんなにそばにいるのに 近寄れないなんて。


仮面

私、ちゃんと笑えてる?
貴方の隣に もう他の誰かが居ても。

貴方がその子に優しい顔をするのを
貴方がその子の髪に触れるのを
その子が貴方の隣に居ることが当然のように見えるのを

目の当たりにしても。


表面だけは笑ってるけど。
でも。
本当は笑っていない。


何より一番つらいのは



その子に、
貴方に触れる権利が与えられてるって事。


日常

前の貴方なら着なかった色のシャツを着てたり
横で電話してる声が柔らかかったり

そんな、
日常の中の一コマで
貴方が別の人のものだって思い知らされる。


そんな貴方を見るのは寂しいけど
貴方を見られないのはもっと寂しくて。

冷やかす振りをして
トモダチの振りをして
近くに居続けようとして。


雪待月

六花の降る夜は
恋しさが増す。

花が降りつもって
どんどんつもって

全てを覆い隠してくれたらいいのに。




他の誰かと貴方との仲も
そんな貴方への私の想いも。


黒色光

愛しすぎて
愛しすぎて


貴方を


引き裂いてやりたい。



決して外には出せることのない
屈折しきった 黒い心。


WANT A MOON IN THE WATER

容易く手に入るものなんかは いらない。
私が欲しいのは貴方のココロ。

絶対に、手に入らないもの。

手に入らないから欲しいのかもしれない。
どんなに欲しがっても 手に入れることが叶わない。

水面に映る 月のように
欲しがっても欲しがっても
欲しがっても欲しがっても

触れた途端に消えてしまいそうな。


Je Te Veux

アナタ ガ ホシイ

狂おしいまでの
この感情。

アナタ ガ ホシイ

簡単に手に入るくらいなら
欲しがったりしない。


もっと焦らして
私が我慢できなくなるまで

もっと焦がして
ホントはもう耐えきれないけど


アナタ ガ ホシイ
アナタ ガ ホシイ
アナタ ガ ホシイ


片隅

貴方が。



他の人を見るのなら、それでも構わない。


私も見て。
私も見てよ。

どんなにたくさんの人が貴方のそばに居ても。
どんなにたくさんの人を貴方が愛してもいいから。




その中の、ほんの片隅でいいから。



貴方が私の事を考えていてくれたなんて。



今までも、今も、これからも、
絶対にありえないと思っていたから。



気まぐれだとしたら
なんてタチが悪いんだろう。
たった一言でこんなに心が揺さぶられるなんて。


口づけ

私は貴方にキスをねだる。
子供がお菓子をせがむように、
何度も、
何度も。

愛が欲しいわけじゃなく、
ただ、拒まない理由を訊きたくて。


Hi Fi

ハイ リスク
ノー リターン


それでも私は
貴方に恋をしている。


カミナリ

雷神が 鳴いている。



「雷は 神鳴りとも書くんだよ」
そう言って自嘲気味に笑う貴方は
何を想ってそう言ったんだろう。

私といても、私の事は見ていなくて。

貴方は誰も見えていない。
貴方は誰も見ていない。
ただ、拒まないだけ。


神サマが 見ている。
好きになってはいけない人を愛した私を。
愛していないのに私を抱く貴方を。



蒼冷めた月光が
カーテンの透間から差し込む。


今夜は満月 嘘しか見えない


私の望みはただひとつ
今すぐ貴方の腕の中でこの生を閉じたい

欠けてゆく光も
移りゆく心も
もう 見たくはないから

今 この時に幕を下ろそう

今宵の望が欠けないうちに
貴方が他の人の処へ行かないうちに

早く、
早く、
今すぐにでも。


夕立

雨が、降る。

貴方を帰すまいとする
私の心を見透かすように。
激しい音を立てて

雨が、降る。

屋根に、窓に叩きつける雨音が
少しでも長引きますように。

今、この手を離したら
貴方があの人の所へ帰ってしまうのが判っているから。
帰らないでなんて言わないけど、
せめてこの雨が止むまではいいでしょう?

行かないで。
行かないで。
行かないで。

せめてこの通り雨が止むまでは。


夢の痕

貴方が私に着けた痕は。
もう、何処にも残っていない。
そんなものはまるで存在しなかったかのように。

欲しがっても、手に入らないのは解っているから。
私のものにならないのは、わかっているから。


私は、貴方に痕を残したりはしない。


何度も何度も
繰り返し抱いていて欲しかった。
あの痕が消えてしまわないように。

好きだなんて言わないから
愛してるなんて言わないから
今だけは傍にいて欲しかった。

明日は他の誰かに抱かれるのでも、
今夜だけは貴方に傍にいて欲しかった。

あの痕が残っていたなら、
私は貴方のものでいられたのに。


立待月

ああ。
こんなに早い時間なのに
月が昇っている。

考えてみたら
去年の今頃だって
同じくらいだったはずなのに。



ああ。
去年は


月じゃなくて
貴方を見てたんだ。


月華

小さな粒になった月華が、
零れ落ちる。


睫毛の先に
少しだけ宿って




ハラリ。


この、冷え切った口唇に。